NSMで学ぶ演技
演技のアプローチにはいろいろある。
日本に今、皆さんが見ている西洋の演技スタイルが入って来たの近代。
それまでは言わずと知れた、歌舞伎や能などのスタイルが日本の伝統芸能。
NSM講師には…
・青年座に在籍している講師
・俳優座で演技を学んだ講師
・音楽座、東宝芸能で活躍していた講師
・劇団四季で活躍していた講師
などなど様々な方が、アクター系の学生にご鞭撻をいただいております。
私はシェイクスピア・シアター出身。
そこでは出口典雄さんに師事し、演技を学び、演出のノウハウを見て盗んだ。
※ぬすんだというと聞こえが悪いが、「芸事は見て盗む」というのは昔からの考え。
手に手を取って教えてもらうなど、そんなこと理想郷の話…。
話を戻しますが、出口典雄さんは、文学座出身。文学座ののち、劇団四季に移籍。
その後、シェイクスピア・シアターを作った。
1975年に立ち上げたので、私と同じ年の劇団だが、今を時めく吉田鋼太郎さんを輩出した劇団としても有名である。
佐野史郎さんも創立メンバーとして有名。
声優では石塚運昇さん、宮村優子さん、甲斐田裕子さん、吉沢希梨さんなど、数々の方を輩出している。
多くの劇団の考え、演技法を学ぶことが出来るのが専門学校のメリットでもある。
劇団は入団試験があり、それに受からなければ入所できない。
そんな中、多くの演技法を身に付けることが出来るのがとても有難い場なのである。
文学座・俳優座・民藝・青年座・劇団四季の5つは、日本の新劇・演劇界を代表する5劇団と言われていたが、
NSMでは、そのうち4つの系統を学ぶことが出来ている。
それぞれの劇団、また講師の経歴によって演技の指導法が違いますが、
NSMは、往々にして「スタニスラフスキー・システム」に近いと言ってよい。
演技のアプローチは様々。
・ステラ・アドラーの演技法。
などなど色々あるが、どれも元々はスタニスラフスキーの影響を受けた演技法。
アニメ『かげきしょうじょ』(女優を目指す演劇学校を舞台にした青春スポ根ストーリー!)
を観ていたら、若い女の子たちがまさにこのスタニスラフスキーについて学んでいた!
若いのにしっかり勉強しているなぁ、と感じてしまった…。
コンスタンチン・セルゲーヴィチ・スタニスラフスキーは
ロシア革命の前後を通して活動したロシア・ソ連の俳優で演出家。
彼が作り出した演技へのアプローチ「スタニスラフスキー・システム」が世界で最も有名、
かつ誰もが辿り着くものではないでしょうか。
※イギリスなどヨーロッパは少し違う。伝統、様式を重んじることも多い。
私も特に学ぼう、と思ったわけでもなく、「行きついた」と言うのが近い。
そこから本を買い、スタニスラフスキーについて調べる事が始まる。
スタニスラフスキーは、フロイト心理学にも影響を受けている。
ユング、フロイト、アドラーといろんな考え方がありますが、心理学は演技にはとても関係性が深いですね。
4つあるこの書籍。
まず有名なのが、『俳優の仕事』
昔は「俳優修業」という名で発刊されていました。
演劇の研究本は、解説が多くてなかなか読む進むのが難しいことがある。
この本は、演技を学ぶ主人公がいて、その苦悩、それを指導する先生からのアドバイス、
演技を学んでいるシーンスタディが掲載されているの、取っつきやすい。
とても分厚い本だが、俳優・声優を目指すなら必読するに値する書籍です。
「スタニスラフスキー・システム」をより丁寧に咀嚼して解説しているのが、
ジーン・ベネディティ著『演技 創造の実際』
こちらは、スタニスラフスキーに教えを受けた人たちの、実際の手記を元に、
どんなレッスンを積む重ねたのか、どんなアドバイスをスタニスラフスキーが行ったかが掛かれている。
レッスンでも使用している、昔からずっと愛読している書籍です。
導入としてシステムを知りたい方には、
ジーン・ベネディティ著「スタニスラフスキー入門」
こちらは、専門的に解説、実践してみよう、ではなく、
スタニスラフスキーが作った言葉の説明が主とされていて、導入としては分かりやすい。
訳された松本永実子さんとは、一度私が演出したハイリンドの『血のつながり』を観に来ていただき、
打ち上げでお話しさせていただいた。
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当時の劇評はこちらをクリック。
松本さんには演出を誉めていたいただいたのも嬉しかったが、
日本で海外の作品と上演することについてお考えを聴かせて頂けたことは嬉しかった。
俳優・声優になるためには、基礎力を高めることはもちろん、
テキスト(台本)に向き合うために必要な、解釈、演技へのアプローチ法が大切です。
サブテキスト、役作りの追求がどれだけできるのか。
それが現場に出た時にものを言います。
俳優の体験レッスンなどでは、まずは導入としてのそういった演技を学ぶことも出来ますので、
興味がある中高校生はぜひ参加してみて下さいね。
ご予約はこちらをクリック!
演技と真摯に向き合える方との出会いを楽しみにしています。
在校生は、これからしっかりと精進してくださいね。
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