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第6回愛知県高等学校軽音楽大会 &高等学校軽音楽大会 中部地区大会

おはようございます。

教務部長の西本です。

先日の7月 30日 (火) に名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)にて開催された

第6回愛知県高等学校軽音楽大会

に審査員として参加してきました。

NSMの学生君や入学希望の高校生君にも参加になることも書きますので、ぜひこの大会に興味がなくても読んでくださいね。

 

23組のバンドやデュオなどの審査を行いました。

 

 

愛知県大会の講評として今回6回目で私は2回目から参加したと思いますが、当初はそもそもチューニングできていないとか、サウンドチェックがむちゃくちゃとかそういうのが多かった。

当時の講評で「今回はチューニング愛知県大会ですか???」とブラックジョークを飛ばすくらいにひどかった。

それが今回の愛知県大会では皆無。

サウンドチェックもスマートになり、本当に軽音楽という部活がビシっ!!!と筋が通ってきたと思います。

ひとえに学生さん達が伝統として伝承したことと、顧問の先生方の努力の賜物だと思います。

本当にありがとうございます。

そして高校生君達のレベルはかなり!!!  高いです。

軽音楽というクラブ活動は決してプロを目指すための活動ではありません。

ただ、そもそもプロミュージシャンになるという目標で活動すること自体が健全な状態なのかというと疑問になる部分もあります。

好きこそものの上手なれ

というコトワザがあるように、好きを追求した結果にもしかするとプロというものがあるという位に私は思っています。

 

そういう意味ではこのままスクスクと巣立てばプロも夢ではない子をたくさん発掘できました。

 

そして翌日は!

令和元年度 第1回 高等学校軽音楽コンテスト 中部大会

 

 

同じ会場で同じような写真ですが、今回は中部地区大会なので愛知県以外の件からもエントリーしてきていました。

 

愛知県大会と中部地区大会のざっくりした印象の違いというと、
やはりチューニングしなさいとか
サウドチェックからスマートに演りなさいという部分が
徹底されていないなと思いました。

第一回目の中部地区大会なので、愛知県以外の参加校は知らなくて、まあっ当然といえば当然です。

恐らく2回目ではビシっとそのあたりが指導徹底されて参加されることでしょう。

個人的にあの場では時間の関係で喋られなかったので、2日間の講評を以下に記載したいと思います。

  1. サウンドチェックではネタバレにならないようにチェックしやすい曲を選定。(コーラスパートがちゃんとある、バランスを取りたい楽器がちゃんとなっているような曲、またはチェック用に作った曲)
  2. サウンドチェック終わったら無駄な音ださず、堂々と立つ。いつまでもバタバタとドラム叩いたりペラペラ弾くのは「自分は緊張しまくっています (汗)」ということをプレゼンすることになる。
  3. 曲が始まる前の挨拶はビシっとしよう。だらしない挨拶は見ているこちらが恥ずかしくなる。
  4. 演奏時のドラムカウントはできたら口とスティックでワン・トゥ / ワン・トゥー・スリー・フォーというダブルカウントを言うべき。なぜなら、一発目のカウントを聞き逃すとどこが2? 3?となるから。演出で言わないほうがかっこよい場合はその限りではない。
  5. いきなり歌から始まる人はどこでキーを取っているのだろう? キーを取るためにピアノやギターに音をもらうほうがいい。記憶している音で歌い始めるのは危険。
  6. チューニングはステージ上で最終チェックしよう。ステージがもしも照明で温度が高いと、楽屋からの温度差でチューニングが激しく変わります。楽屋でチューニングしましたというのは全然安心できません。質の良いフロアタイプのチューナーを買おう。
  7. ベースの音作りがこもっている人が多数。弦が古い人多い気がした。弦高が高すぎの場合もHiの成分が薄くなってモコモコした音になり抜けない。またプリアンプ全開?みたいな人の多かった。プリアンプはできるだけフラットにして、パッシブ時と音量差をなくすこと。必要な帯域だけ少しブースト、またはカットが基本。
  8. ギターは圧倒的にアンプの使い方知らない子が多数。これは正直仕方ない。部室で鳴らせる音量では参考にならないし、初見のアンプを使いこなせるのはプロみたいな人たちだけ。ある程度アンプをフラットにしてコンパクト・エフェクターで歪ませるという逃げ道を知っておくべき。いきなりサウンドチェックして本番のようなシチュエーションではマルチエフェクターはオススメしない。コンパクトタイプの歪み系エフェクターとディレイの2つくらいでサウンドメイクできると楽でよいかも。ギター・ソロ弾く人はブースターかボリュームペダルがあるといい。
  9. ドラマーは圧倒的に基礎力がない人が多数。ギター・ベースに比べて基礎力がもの凄く音に出る。スネアのショット一つとっても我流の人は鳴らせていないし、音が汚い。時間を買うと思ってスポットでいいのでちゃんとした(←ここ大切)講師にならったほうが良い。バンドアンサンブルにおいて、ドラマーがうまいとギターとベースが多少下手でもなんとかなる。その逆はなんとかならない。
    また狭い部室でドラムを鳴らすことになれると悪い癖がつく。
  10. 合奏ではなく個人の練習発表になっているグループが多数。全員が歌えるくらいに自分のパート以外の音を聞く。自分の音ではなくメンバーの音に反応したり呼吸して演奏する。歌モノの場合は歌がどうやったら引き立つかを考えて演奏をする。
  11. ダイナミクスの無い演奏が多かった。曲がスタートして終わるまでに緩急がある、起承転結がある、波があるということを全員の認識を一致させる。どこが一番の頂点でどこは静かでという感じで、楽曲に起伏を作ること。
  12. 顔が暗い。緊張してもいいが顔に出さない訓練をする。役者は緊張しても役作りをするでしょ。ミュージシャンも演じていると思って、態度・顔を作る。ステージで発表するという意味ではボーカリストは特に役者だといってよい。
  13. なぜMCをしない? 「よろしくおねがいします。」という言葉の前後に何か自分たちに引き込むような言葉を足せないものか。MCによって人というのは聞く気になったり聞く気にならなかったりするものだ。
  14. エンディングが雑。コピー曲の場合にカットエンディングだったとしても、最後のコードを伸ばしてかき回して盛り上げて終わっても良い。終わり方が良いと全部良く感じる。たくさんのレパートリーの中でやる一曲としては面白い終わり方も、一曲で勝負の場合は効果がでない場合が多い。お客さまが拍手をしやすいように終わることは印象としてかなり印象の良い悪いに作用する。
  15. 終演後の機材撤収おそすぎ。審査員のコメントがあるのに片付けがタラタラしているのは、全てを台無しにしてしまう。(審査では評価はしていませんが..) 特に対バンLIVEでは転換の遅いバンドは他のバンドに迷惑をかける。早く片付いたメンバーが助ける、一旦エフェクターボードにシールドを投げ込んで撤収するとか、テキパキとした動きができない人はたいてい演奏もその程度になる。段取りうまくない人は練習の仕方がうまくないのがその理由。
  16. 審査員のコメントに対して無反応、無表情が多い。審査員コメントに対して、「ありがとうございます。」「参考にして次回頑張ります!」とか、心に響けば言葉が出るはず。そういうミュージシャンシップが整っていないと最終的に演奏は良くならない。なぜなら演奏はお客様とのコミュニケーションであり、楽器を持っていない時のコミュニケーションが円滑でない人が楽器でメッセージが伝えられるとは思えない。
  17. 審査発表でふんぞり返って座っている高校生が数人。部活として野球などのスポーツ部と同じような部活の高みを目指すステージへ向かうならば、目上の人の前に座る態度で全て決まると思う。それを注意しない顧問も問題。礼節を重んじられない人が本当に人の心を打つ演奏ができるのだろうか。コンプライアンスの問題もあり、殴る叱るがやれない時代。ただ甘やかすということとは別で厳しく指導する。それでも聞かなければ怒るなど、やはり昨今やりにくい指導も部活という場では厳しくしていいのではないだろうか。それが嫌なら部活に参加しなければいいのだから。

 

少し厳し目に講評を書きましたが、軽音楽部が次のステップへ進むためにはスポーツ系クラブと同様の規律(ディシプリン)が必要になると思っています。

 

年末にも同大会があると聞いていますので、次の大会は恐らく色々な意味でもの凄くレベルの高い大会になると予想できます。

もの凄く楽しみです。

また、このような素晴らしい高校生の大会の経験を本校の教育にも反映し、今後も厳しく指導していきたいと思います。

教務部長の西本がお届けしました。